「スズキGAGの鬼ビモータレプリカ」カテゴリーアーカイブ

GAGをビモータSB6レプリカに_武川旧ボアアップキット52φのピストンリング、全部廃番

ストロークアップクランクも完成したことやし、エンジンを組み立てる段取りをしています。
純正部品はほぼ入手完了
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ケースやヘッドはバラしてサンドブラストorウエットブラストに出します。
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そこでまたもや問題。
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ピストンリングの合口がむっさ広い。

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シックネスゲージで測ってみたら、0.5mmもある。因みに適正値は0.1mm。

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で、このリングの厄介なのが、断面がL型だという事。
売ってない。

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ピストンリングはバネ鋼の一種なので調べてみたところ、おそらく線膨張係数は
約10~11 ×10^-6/℃ のあたり。
1℃温度が上がったら0.000001倍の分、伸びるという事です。
冷間時のピストンリング外周長は(52φx3.14)-合口隙間0.5mmです。
(52×3.14)-0.5=162.78mm

ほぼここは油温と同じ温度になっていると思うので、エンジンがかかっている時は冷間時より50℃温度が高くなるとして、線膨張量を出してみると、
162.78x(10×10^-6)x50=0.08139(mm)
熱間でも0.4mm程度までしか閉じません。
適正値は0.1mmなので、丁度適正値の合口隙間だと、ほぼ熱間時に閉じる計算です。(シリンダ側の寸法変化を無視していますが。)

この修理に関しては以前にやったことがあります。
こんな感じや、こんな感じや、こんな感じで。前の時の動画↑。
なので、今回もTKRJのCT110用、品番13011-439-000を加工して流用します。

前のデータ。
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今回エキスパンダが何故か高いけどほぼ同寸。前のエンジンは合口が1mm近くまで広がっていたんですね。もしかしたらエキスパンダTKRJの使えるかも。

 

hyou2前にこの修理やった時も見ましたが、ピストンリングメーカー、リケンのサイトはマジで凄いです。こちら
自作するには面圧分布をリンゴ型になるように設計しないといけないみたいです。
おそらく焼入れの温度管理もムズイ。

前にバラしたエンジンもリングが減っていたので、おそらく、理研のサイトのこの記事によれば、セカンドリングが無く、かつトップリングもけったいな形状なために張力が足りず、フラッタリングが起こりやすく、その結果、摩耗が促進されたのかもしれません。
もし、あれならビートルのドラッグレースのエンジンみたいに、ピストントップからトップリングに向けてガスポートとして0.5φぐらいの穴を開けて無理やり燃焼ガスでリングを押さえつけてもいいかも。

で、この修理は以前にやった修理ですが、前にやった時の冶具が見つけれるかどうかが運命の分かれ道。

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良かった。ありましたわ。
ネジが挿してあったから、プレスの圧入冶具にならずに済んだ模様。

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GAGをビモータSB6レプリカに_セルと激レア武川6速を組む

クランクが出来たのでいよいよエンジンを組んでいきます。
現在、オーナーさんからはバーディーとGAGのエンジンの二基を預かっています。
あと、工場の隅っこには長らく放置中の私のやつがあります。正確には中井さんのやつやけど。(誰か分からんと思いますが)
これ。

GAGとバーディーのケース違いはセルモーター取付の穴以外ほぼ無いみたいです。

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バーディーの方はオイル焼けしています。ベアリングを換えれば完全復活しますが、結構な距離を走っていたみたいです。あまりオイル交換をせずに。

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古くてへろへろのパーツリストを見ながら、交換部品をリストアップしていきます。
預かっている新品純正部品もあるのでそれは飛ばして発注します。

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ケース内がオイル焼けしていたのでちょっと不安でしたが、何故かセルのワンウェイクラッチは状態良好。

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純正やのにここ溶接ねや。4輪に比べると生産数が少ないので一体鍛造で作るよりも
板をプレスで抜いたやつと丸棒のブツ切りを溶接した方が安かったのでしょう。

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ワンウェイのローラーも全然傷が入ってないですが、ここぐらい新品に換えとこうと思い注文しました。セルを回している時以外は空回りしているだけの部品なので摩耗しないのかも知れません。
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モンキー系とは違い、GAGはクランクの軸方向のガタをシムで規制する式です。
クラッチ側のクランクサイドベアリングとクランクの間にシムを入れます。
これが結構手間。一度組んでガタの量を測らないといけません。
シムは純正部品を頼んでもいいし、岩田製作所の汎用品でもいいと思います。

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今回組むミッションは何と幻の武川6速!
これは当時は高価だったし、生産数も少ないし、廃番になってから長い年月が経っているのでかなりレアです。もう手に入らないでしょう。

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クラッチバスケットがちびて(摩耗して)いたらGS50のクラッチバスケットを流用する技を前に編み出していたのでやったろうと思っていたのですが、クラッチバスケットの状態は良好でした。

 

発注したのはOリングやベアリングばかりだったので欠品や廃番はありませんでした。
GAGと現行のバーディーは同じものが使われているようです。
これで純正部品が届けばエンジンは閉じれます。

あ、その前に、エンジン外側をガラスビーズでクリーニングせねば

 

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