原付鬼レスポンス、軽量クランク。ちょん切る量の計算

単気筒のバイクってクランクを軽量化したらめっちゃくちゃスロットルレスポンスが上がります。100cc未満のバイクだと、クランクが軽くて径が小さいのでたいした振動は発生しませんが、125ccぐらいからケツにできもんができるほどの振動が出るようになります。

実際に加工したり、計算したりいろいろやってみて一応手法が確立したのでエクセルの計算シートを載せておきます。
軽量クランク切る量、計算フォーマット (436 ダウンロード )

で、これの使い方なんですが、まず、3DCADありきです。
3DCADでクランクピン側とカウンターウエイト側、別々に描いてCADの機能で重さと重心位置を算出します。
それとピストン、コンロッド云々の重さを実測します。


で、ややこしいことを省いて計算の概要を説明しますと、
ピストン、コンロッド上側の往復動の加振力は「部品の重さ」と「それが動く速度」を掛けて求めます。
クランク、コンロッドの下側の加振力は遠心力なので、「部品の重さ」「その重心点の回転中心からの距離」「回転速度」を掛けて求めます。
なので、遠心力の方は重りは回転中心から遠いところに付ければ遠心力は増えることになります。
なので、回転中心から遠いところに重たいタングステンを埋めると生み出す遠心力がめっちゃ増えるので、ほかの肉を落とせるのでクランクシャフトの全体重量としては軽量化できることになります。

で、実測したり、3DCADから出した値に対して、このエクセルのシートを使って遠心力と往復慣性力の大きさを計算し、釣り合うところを見つけていきます。(特に自動計算では無く、ちょっとずつ手入力して探します。付けるべきカウンタ―ウエイトの「重さ*回転中心からの距離」が出たら3Dモデルを編集しては重さと重心位置を出して、編集しては重さと重心を出してを人海戦術で繰り返します。)

で、単気筒はご存じの通りフルバランスはしませんので、
・車体に対して上下方向の振動をゼロにする。
・車体に対して上下前後の振動を50%50%の配分にする。
・車体に対して前後方向の振動をゼロにする。
と、どこのバランスを優先するかの選択肢があるのですが、
私はそりゃ50%50%が加振力が一番小さくてええやろと思って5050のやつを作りました。が、
どういう理論なのかわかりませんが上下方向にちょっとでも振動があるとめちゃくちゃ振動するのに、前後に振動が有ってもあんまし関係ありません。
なぜか前後方向の加振力がめちゃくちゃ大きいはずの上下方向の振動を0の方が振動が少ないです。なので上下を0に設計するしかないみたいですね。
なので横型エンジンは思ったよりめっちゃ軽くしないと上下ゼロになりません。
対して縦型エンジンはピストンとコンロッド分もカウンターウエイトに付けないといけないのでわりと重くなります。

なので横型は一番重たいクランクがめっちゃ軽いのでエンジンがめっちゃ軽くなります。だから私は横型が好きだったのですが、車体に積んだ場合は重い縦型エンジンの方が搭載位置を圧倒的に前に出来て圧倒的に前軸荷重になります。
それがコーナーでの安定にめっちゃ効いてて全然ちゃうんすよね。
縦型の方が速く走れるんです、バイクはなかなか奥が深いですよ、マジで。

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