月別アーカイブ: 2016年11月

テクノロジックでギークなボールペン、MechaSEA、フィッシャースペースペンの解説を少々

バイクばっかり改造している弊社が、本気で技術を投入して作り込んでいるジュラルミン削り出しのボールペン、名前は「MechaSEA(メカシー)」。

ba72cfcade79571eb8f5e419da6f6818

そのリフィル(替芯)にはフィッシャー社のスペースペンを採用しました。
スペースペンの歴史は結構古く、今年で50thアニバーサリーだそうです。
NASAが採用して宇宙で使われている、凄く実績のあるペンです。
Youtubeにも紹介動画が沢山ありますが、一番分かりやすかったものを埋め込んでおきます。
38秒あたりの書かされまくっている装置が凄い。

では特徴を説明します。
●サイズは一番普及している、パーカータイプのG2よりも少し小さいのですが、リフィルに付いてくるアダプターを差し込めばパーカーと互換になります。
これは便利。
img_3237
img_3235


●ボールの材質は何と炭化タングステン。超硬合金です。超硬エンドミルとか超硬の金型と同じ材質です。むっさ硬いので加工するにはダイヤモンドかボラゾン放電加工じゃないと無理。

●圧縮窒素をフロートセパレータを介し、インクの後方に封入してあります。圧力は約240kPa(0.24MPa)とありますので、車のタイヤの空気圧ぐらいです。これにより、無重力や上向きで書く事が出来ます。

●チキソトロピックインクを使用しているので、可使用温度レンジが広く、-34~+121℃。更に水中や艶のある面にも書けます。乾いてしまう事が無いので100年以上の保管も可能。

●替芯の品種はこれだけあります。↓カラーがたくさんあることが特徴です。

prcartridgetable4

 あと、「ボールペンは無重力では使用できないという事実に直面したアメリカ航空宇宙局(NASA)は、多額の費用を費やして宇宙飛行環境でも耐えられるペンを開発したのに対し、ソビエト連邦は鉛筆を使った。」という有名な話は都市伝説なんだそうです。
フィッシャー社が自費で開発し、NASAに試すよう持ちかけたそうです。

荒木エフマシン製品のご購入は下記へどうぞ!
タップorクリックで販売ページにリンクします。

テクノロジックでギークなボールペン、「MechaSEA」替え芯が決定しました

バイクばっかり改造している弊社が、本気で技術を投入して作り込んでいるボールペン、名前は「MechaSEA(メカシー)」。

MechaSEAウェブショップ
問い合わせたり見積もりしたりいろいろ選定した結果。
そのリフィル(替え芯)にはNASAに納入されている、フィッシャー社製のスペースペンを採用し、これを仕入れることになりました。
http://diamond.gr.jp/brand/fisher-spacepen/contact/
(フィッシャー社がこのレフィルに投入しているテクノロジーは凄いんですがそれは次回ゆっくり解説したいと思います。)
img_3233

当初からリフィルを短期間で弊社内で開発し、生産設備を整えて製造まで持っていくことは厳しいと思っていました。インクの手配先とか知らないし。
なので、ペン側は汎用性の高いパーカータイプのG2リフィルを使える仕様にしておき、リフィルの購入先を探していたところありがたいことにフィッシャー社に決まりました。
img_3234
フィッシャー社のリフィルを仕入れるということは、
NASAで使用されているその素晴らしい機能、品質、実績はもちろんのこと、
仕入れが小口という大きなアドバンテージがあり、ビジネスの黎明期を通過するには非常に有利に働きます。
ビジネスというものは、本当に黎明期のうちは儲からない。
黎明期を通過して損が出ないようになるまでにはどうあがいても絶対的に「時間」がかかるんです。
そこを耐えれるように設計されていないとビジネスはポシャリます。

どこかの工場に弊社オリジナル品のリフィルを製造してもらうとして見積もりを取ると、単価は安いが個数が大量になります。
それだと1品種手配しただけで100万円単位で支払いが発生するので初期投資がかなり重い。特に黎明期のビジネス規模に対しては凄く重いです。
もし、納入された後、ちょっとした仕様変更をしたくなったとしたら、もう100万円追加で資金が必要になってしまいます。

img_3312

高級ボールペンのリフィルは金属製なのですが、フィシャーは金属のリフィルの中でおそらく唯一、カラーが何色もあります。
カラーは、ブルー、ブラック、レッド、グリーン、バーガンディー、パープル、ブラウン、ターコイズ、シルバー。計9色もあります。
全部弊社専用品をどこかの工場に製造依頼すると、1色100万円としても凄い額になります。
3色でも300万円。9色だと900万円。何色も作ると在庫の山になり、身動きできなくなってしまいます。
それが黎明期のビジネス規模に相応しい額で9色が今すぐに手に入るようになりました。

img_3314

これから慎重に関係を構築していきたいと思います。
あ、それと「開発」の仕事内容って何なんやろうと思うと思うので説明しておきます。
ほぼ仕様を決める作業です。↓流れ的にはこんな感じ。↓

●設計する。規格に合わせないといけないとか公的機関の認証とか法的保護がいるなら調べておく。今回はリフィルの規格商標特許意匠などだった。
余談だが家電を開発する場合なんかは電気用品安全法が結構うるさいのでめっちゃ法令を読まないといけなくなる。

●試作品を作るための冶具を設計する。この時点で量産する時の製造方法も検討しておく。

●冶具と試作品を作る。外注したいものは図面とか仕様書を送って手配する。

●試作が出来たら使用感とかデザインとか安全性をチェックする。ここで仕様を仮決め

●耐久試験。使用状況を想定していろいろやる。ちなみに大手メーカーは過去、不具合が出るたびに項目が追加されていっているので、耐久試験をする人間の耐久性も問われるぐらい多項目で過酷になっている。(リンゴやパイナップルに突き刺したりするかも)

●完了

荒木エフマシン製品のご購入は下記へどうぞ!
タップorクリックで販売ページにリンクします。