取り敢えず、乾式クラッチにすることはできたし、走れたので、モーターサイクルショーに出展。
そしてその後、普通の油のしゅんだ湿式のディスクのまま乗り回してみました。
弊社荒木エフマシン製の乾式クラッチのクラッチバスケットとクラッチボスはSR400の追加工品です。
しばらくしてクラッチ切れへんし滑るしとなってしまったのでクラッチ板を見てみたらヘロッていました。走行距離は50kmぐらい。
これはええデータちゃいますの。
ネットを探し回っても多分載って無いと思いますわ。
もし、これを読んでいるあなたが誰かに(ヤフー知恵袋とかで)
「湿式のディスクを乾式で使ったらどうなりまんの?」
と聞かれたら、
渋い顔でこう答えたらいいんです。
「始めは普通に走れるが、50キロぐらいしか持たない。それ以上走ると親父に軽トラで迎えに来てもらうハメになる。」
と。
これが曲がっているとそりゃクラッチ滑るし切れんはずやわ。
因みに、鉄板オンリーの方をクラッチ板(こっち↑)、摩擦材が貼ってある方をフリクションディスクと呼びます。
という事で、乾式専用のディスク達が必要というのが分かったのでまず、ウチにあった3XVのTZRのカバーを取ってクラッチ板を見てみました。
あかん。SRより一回り小さい。クラッチスプリング5本やし。しかもヤマハのパーツ検索で調べてみたら廃番でした。
で、次はヤマハのパーツ検索で3MAのTZR250SPのクラッチを調べてみました。
そしたら、クラッチスプリングが6本でSRと同じ。
フリクションプレートはSR用(360-16325-00)が1000円程度なのに対し、
3MA用(3MA-16331-20)が2700円。
高い。けど、買いました。
そしたら3MA用として来たのは部品番号が変わっていて3AK-16321-00。
ふふ。合う。
これはいける。同時にクラッチ板も3MA用(3J2-16324-00)買いましたがこちらもピッタリ。
ふふ。
ここで、前から薄々勘付いていたヤマハの純正品番の法則を使って更に純正部品を調査。
ヤマハって、3文字で車種の型式をふってますよね、
例えばTZR250だと3MAや3XV、
SRだと2J2や2H6や3HT、
TZMだと4KJとか。
とするとこの3AKは何やろう。と調べると、
80年代のTZ250や!
で調べてみると、一番新しいTZ250まで、ずっとこの3MAと同じフリクションプレートみたいです。という事はめっさ古い3MAのTZRとTZ250とはクラッチの部品が共通やのに、3XVとTZ250は何も部品が合わんのか!
そして更にTZ250のクラッチで発見が。
一番外と一番内のフリクションプレートの品番が他とちゃう。3YL-16321-01。
取り寄せてみたのがこれ。多分、アルミと当たるとこはこの摩擦材を使うという事なのでしょう。値段は3AK-16321-00より少し安い。
しかし、乾式のフリクションディスクは全然湿式と材質が違う。ブレーキパッドの摩擦材に近い。ガラスorケブラー的な物やメタルちん毛的な物が練り込んである。そして臭い。ベークライトか、ラ王のスープの匂いみたい。
対して湿式のディスクはコルク的な物で構成されている。油膜の有る条件下でクラッチ板とフリクションディスクを擦ってみると、なすびの漬物を噛んだ時のようなモキュモキュした感触がある。
厚みを測ってみた。お金と手間をかけて取ったデータだけど、ネタとして価値があると思うので公開します。乾式のディスクの方がだいぶん分厚い。
TZ250、TZR250SP
名称 | 品番 | 厚み |
クラッチプレート | 168-16324-00 | 2.3 |
クラッチプレート | 3J2-16324-00 | 2.0 |
フリクションプレート | 3YL-16321-01 | 3.0 |
フリクションプレート | 3AK-16321-00 | 3.0 |
SR400
名称 | 品番 | 厚み |
クラッチプレート | 360-16325-00 | 1.17 |
フリクションプレート | 5Y1-16321-00 | 2.8 |
ノーマルのSRより枚数を減らして注文。必要数のディスクを買うと2万円越え。
取り敢えず今現在(2016年3月)の所は全部ヤマハから部品は出ます。
もし、部品の供給が終了したら、摩擦材のテープと接着剤を売ってもらえるところを探してウチの会社で製作せなあきませんかね。
おそらく、4輪のクラッチの張り替えの需要は一定数あるのでそういう業務をやっている会社に交渉してみるのが吉かと思われます。メーカーに納入している会社は多分門前払いな気がする。
そして車体に組んでみましたが、普通に走れました。
今度はこの仕様で乗り回してみましょう。これでクラッチ板関係の不具合やオイルの漏れとかが無ければ完成ですね。
因みに50キロ走ったフリクションディスクは1枚当たり0.1~0.2mm減っていました。全体では1mm近く減っていることになります。そらクラッチ滑るわ。
それと素晴らしいと思ったのが、普通にめっちゃ乗り回したSR500のフリクションディスクを測ってみたら全然減っていなかったこと。厚み2.8mmのまま。湿式クラッチはかなり優秀なんですねー。
「湿式クラッチはエンジンオイルにクラッチのカスが混じる。」と、私、大きな顔して今まで言ってきましたが、これは全然混じらんわ。減ってないもん。
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※2017/04/11追記
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