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GAGをビモータSB6レプリカに_GAGを50mmロングストロークかつセル付きにする方法4

50mmストロークかつセル付きのGAGを作る為に、ノーマルクランクを加工して50mmストロークにしますが、ハイレスポンスにするためにウエイトを軽量化したいということなのでクランクを軽量化します。

IMG_2838しかし、ウエイトの重さを決めなければなりませんので、部品をの重さを計測し、縦横の振動が50%対50%になるよう計算しました。

IMG_2831

クランクには回転運動と往復運動が生じています。
ざっくり言うと両方とも速度の2乗に比例して加振力が大きくなります。

ということは速く回転すると回転数の2乗に比例してごっつ加振力が大きくなるわけなんですが、
しかし、回転と往復の振動の比率に関して言えば常に一定ということです。

IMG_2833

 

で、更にざっくり言うと
遠心力・・・重さx回転の中心~重心の距離x速さ
往復慣性力・・・重さx移動距離x速さ
で求められます。

だから力の大きさの単位は無くなってしまいますが、振動の比率だけを決めてあげるには両方から速さを取って

遠心力・・・重さx回転の中心からの距離
往復慣性力・・・重さx移動距離

をええ感じの比にしてあげればいいことになります。

で、またざっくり言うと(GAGは横型ですが)縦型エンジンの場合。
横方向の振動を消すには
クランクの「コンロッド側」と「ウエイト側」両方の
「回転の中心~重心の距離」x「重さ」を釣り合せる

縦方向の振動を消すには横を釣り合わした重さに更に重りを足していき
「ピストンまわりの重さ」x「移動距離」と
「回転の中心~重心の距離」x「重さ」を釣り合せる。

となります。
だから単気筒は、
横方向を釣り合わせると縦に振動が出て
縦方向を釣り合わせると横に振動が出ます。
横を釣り合わせた方がクランクの質量は軽いです。
実際はコンロッドが揺動するので計算はもうちょい複雑なのですが。
通常、車体的には上下の振動を減らす方が良いらしいので、バランサーが無い場合、縦型より横型エンジンはクランクウエイトを軽く設定出来ます。
で、回転系のバランスを計算する際、重心位置と重さの値が必要なのですが、
それを計算で求めようとすると非常に難儀なので、
そこは文明の利器CADで描いて求めます。
重心と重さが求まってしまってしまえばある程度計算は簡単なんです。

実際の作業としては
・ピストン、ピストンピンピストンリング・・・の質量を計測する。
・クランクをCADで描く。
・計算する。
・CADの図を修正
・また計算させる
・何回か繰り返していると形状が決定
といった感じです。

今回イレギュラーだったのが、
右がバーディー用で左がGAG用なので
左右でウエイトの形状が違う事です。
加工の時、GAGの方を削って左右の質量を合わせます。IMGS2401GAG(クラッチ側)↓    バーディー(フライホイール側)↑

IMGS2402そして↓この形状に決定しました。
縦と横の振動の比率は50%ずつですが、軽くなった分、トルク変動由来の振動は増えます。
それはどうしようもないです。多気筒化するかフライホイールとクランクをクソ重に設定するしかありません。

IMGS2403

これを加工するにあたり、冶具を作ります。
しかし、武川のクランクピン23.1Φやった。なぜか中途半端な径です。

 

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